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「人権ファシリテーターの道しるべ」



1.テーマ 参加型学習
2.教 材
(1)タイトル ビデオ 参加型学習「人権ファシリテーターの道しるべ」(30分)
(2)制作 企画:大阪府 製作:ヒューライツ大阪(財団法人アジア・太平洋人権情報センター) 協力:地球市民教育センター
(3)価格 6,000円+消費税
購入のお問い合わせは
ヒューライツ大阪(財団法人アジア・太平洋人権情報センター)
電話06−6577−3578 まで
(4)概要

参加型学習は近年、人権啓発教育で積極的にとりいれられている学習方法の一つです。ビデオでは「人権」について自分がどのように考え、何をしていけばよいのかを考えます。さまざまな発見や気づきから、参加者一人ひとりが、自分のできることを自覚し、実際の行動に結びつけ、「人権文化」の創造をめざします。いま、参加型学習の活発なとりくみをすすめるために、ファシリテーターがもとめられています。このビデオでは、参加型学習とファシリテーターの役割などを、具体的な事例をとおして紹介します。

  • ケース(1)プロローグ…………… 参加型学習
  • ケース(2)ジャンケンゲーム…… あと出し負けジャンケン
  • ケース(3)宇宙人がやってきた… 一般 的な人間ってどんな人間?
  • ケース(4)ちがいのちがい……… 私にとって、いいちがいは、他の人にとっては?
  • ケース(5)部屋の四隅…………… 多様な意見があることに気づく
  • ケース(6)私とあなたの権利…… 権利を認められるようにするには?
  • ケース(7)エピローグ…………… 権利を身近なものとして捉え「人権文化」を築くファシリテーターの心がけ

3.ねらい

参加型学習ではファシリテーターが重要な役割をはたすことを認識する

  • ファシリテーターとは何か
  • ファシリテーターの役割とはどのようなものか
  • ファシリテーターが心がけるものとはどういうことなのか

4.研修方法

〇解説→ビデオ視聴→まとめ(約1時間)
〇解説→ビデオ視聴→意見発表→まとめ(約2時間)
〇解説→ビデオ視聴→相互討議・意見発表→まとめ(約3時間)

5.運営資料

(1)導入説明
人権教育のための国連10年は、1995年からはじまりました。人権の伸張への努力は、国際社会、国、NGO、そして市民によって絶え間なくすすめられてきました。しかし世界の各地で、日本の社会で、人種・性・社会的出身などにもとづく差別 や、抑圧、貧困、環境破壊など人権にかかわる深刻な問題が起こっています。人権教育のための国連10年は、社会の隅々に普遍的な人権文化を築くことを求めています。わたしたちは、人権文化とは何かを今一度問い直しながら、それを築いていく必要があります。人権教育の目的は、一人ひとりの人権が尊重される社会を実現することです。それには、人権教育を学ぶことだけでは不十分です。学ぶプロセスそのものが、人権を尊重したものであることが、大切です。参加型学習は、人権教育をより豊かなものにする学習方法のひとつとして活用されています。。この機会に参加型学習とファシリテーターの役割についてこのビデオを通 して体験してください。

(2)解説のポイント

  1. プロローグの内容
    今、参加型学習あるいは、参加体験型学習と呼ばれる新しいスタイルの学習がはじまっています。この学習は、先生から生徒、講師から受講者というように一方的に知識や技能などを伝えるものではありません。参加型学習ではファシリテーターが学習を進めていきますが、ファシリテーターも参加者もお互い対等な関係で、それぞれ自分自身の言葉で、自分自身の意見を自由に話し合いながら学習をすすめていきます。ここでは、日常あまり経験することのないロールプレイやゲームなどのアクティビティ=学習活動が行われます。参加者一人ひとりが人権問題を解決するために必要な気づき・受容・コミュニケーション・協力・態度を学ぶことができます。


    ●参加型学習の特徴どれだけ知っているかという知識詰込型ではなく、プロセスを大切にする教育として問題提起型であるということです。

    ●Facilitateともに容易にする、促進する、円滑にする。
    ●ファシリテーターの役割参加者の中に加わり、ともに考える。お互いのよりよい気づき、働ききかけを促す。みんなが学習に参加できるように気配りする。

  2. ジャンケンゲームの内容
    多くの場合、緊張感をやわらかく解きほぐし参加しやすい雰囲気をつくるためのアイスブレイーキングとしてジャンケンゲームからはじめます。「後出ジャンケンゲーム」では、ふだん慣れていることをちょっとルールを変えると頭でわかっていても実際には上手くいかないことに気づきます。

    ● ふりかえりジャンケンゲームが、ただのお遊びで終わらないようにファシリテーターは必ず「ふりかえり」をします。これは、まとめではなく、なにを学び、なにに気づいたかをみんなで分かちあうためです。まず自分自身でふりかえり、参加者全員で分かちあうことが大切なのです。

  3. 「宇宙人がやってきた」の内容
    人間とは何かについて、みんなでいろいろな側面から考える学習です。ファシリテーターは、ブレーンストーミングの意味を説明します。

    ● ブレーンストーミングBrain(頭脳) Storming(嵐)で思いついたことを自由に言葉に表わす。質より量 のことで、発想の幅を広げる。
    ● ふりかえりファシリテーターは、参加者のニーズを把握し、必要な知識をもって気づきを促していきます。 ・ 人はそれぞれ、ちがうのがあたりまえです。相手の立場に立ってみると、当たり前のことがちがってきます。わたしとあなたは、ちがいます。そのちがいによって、お互いに豊かになれるのです。

  4. 「ちがいのちがい」の内容
    わずか4人の中でも多様なちがいを見いだすことができます。自分とは異なる他の人の視点や発想に気づき、あってはならないちがいについてお互いに話し合いながら、気づいていく学習です。
    ● ふりかえり人間は一人ひとりちがっています。しかし、これらのちがいが権利や自由のちがいの理由になっていることにも気づくことが大切です。

  5. 「部屋の四隅」の内容
    とても思う・どちらかと言えばそう思う・どちらかと言えばそう思わない思わないの4枚カードを部屋の四隅に貼り、いろいろな質問を行いながら自分なりの判断に基づいて体を移動させて自分の考えを表し、同時に他のひとが、どんな意見を持っているのかを見てわかり、実感できる学習です。この場合、ファシリテーターは、工夫した問いかけが大切になります。

  6. 「私とあなたの権利」の内容
    自分の持っている権利を知り、それがみとめられているのかどうかを考える。もし、それが認められていないのならば、どうしたら権利が認められるのかを考える学習です。

    わたしたちが持っている権利わたしたちが持っているのに認められない権利わたしたちが持つべき権利わたしたちに認められるべき権利どうなものがあるのか考える。このような学習を通 して、さまざまな発見や気づきから参加者一人ひとりが、自分でできることを自覚し行動することで人権文化を築いていけることができるのです。そのための学習活動をささえていくのが、ファシリテーターです。

    参加型学習を成功させるためには、ファシリテーターは、学習の目標を明確にしたコンセプトを持つことが必要です。その上で、学習のプロセスを考えてプログラムをつくります。以上

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