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1. テーマ:結婚問題  人種差別問題

2.教 材
(1)タイトル ビデオ「招かれざる客」
(コロンビア映画  103分)
(2)制作

監督・制作:スタンリー・クレイマー
脚本   :ウィリアム・ローズ
音楽   :フランク・デ・ポール
撮影   :サム・レアビット

(3)概 要

 サンフランシスコで新聞社を経営するマッド・ドレイトンは、自他共にリベラリストを自負している。そして画廊を経営している妻クリスティーナと23歳の娘ジョーイとの3人家族である。

 そのマッドと妻クリスティーナのもとに一人娘のジョーイがハワイの旅先より突然かえって来た。久々の家族の対面 で楽しく盛り上がるはずだったところが、ジョーイは、黒人青年を婚約者として家族に紹介するために連れてきたのだった。

 名匠スタンリー・クレイマーが、人種問題を乗り越え、愛を貫こうとする若者たちとその家族の苦悩と葛藤を心温まるタッチで描き、アカデミー賞をはじめ、数々の賞を受けた感動の社会派ドラマ。

 人種差別という偏見の壁に対峙し、母親、父親、友人の司祭など周囲の人々とのふれあいや葛藤を通 じて、様々な問題を見るものに問いかける。

 最初は遠慮ぎみに接していた医師ジョンが対話を通じて逞しくなったのはなぜか。白人社会で育った娘が黒人青年を愛したとき、結婚に対し、父親と母親はそれぞれの立場からどのような反応と対応をするのか。

 登場人物たちはそれぞれの心の思いを話している。さまざまな立場から何を訴えたかったのか。最後の場面 で母親がポロポロと涙をこぼしたのはなぜか。視聴者に感動を与え、「結婚問題」「人種差別 」などの課題を考えさせる佳作。

3.ねらい
「結婚」の定義について考える
「結婚問題」について考える
「結婚」に大切なものは何かを考える
4.研修方法
ビデオ視聴→解説・まとめ
ビデオ視聴→意見発表→解説・まとめ
ビデオ視聴→相互討議→解説・まとめ他
5.運営資料
(1)導入説明
日本の憲法では、結婚は二人の合意により成立することになっています。それまでの家長制度は、戦後民法において否定されました。しかしながら現実には、家柄や身分または国籍や肌の色が異なるというような理由で、家族やまわりの人々が反対することがあります。このことについてあなたはどのように考えますか。
(2)解説のポイント
[1] 母親は、娘に黒人青年を婚約者として紹介されたとき、一瞬とまどった。
  • もし仮に、あなたのお子さんが恋愛し、結婚したいと言っている相手が被差別 部落の出身だとわかった場合、あなたはどうしますか。
  • また、あなたの親類はどういった態度をとると思いますか。
  • もし仮に、今あなたが結婚しようと思っている人が、被差別 部落の出身だとわかった場合、あなたはどんな態度をとると思いますか。

私たち一人ひとり当事者としての立場になって結婚問題や結婚差別 について考えてみましょう。受講生の体験も引き出しながら意見交換を進めて見ましょう。

[2] 父親は、黒人医師ジョンの身元調査を秘書に依頼した。

あなたの身内の方に、結婚(縁談)の話があったときに、あなたの家族が相手に気づかれないように次のようなことを調べようとしていたとすると、あなたはどのように感じますか?

  • 本人の過去の異性関係
  • 近所の評判
  • 本人の病歴や障害
  • 相手家族の職業・学歴
  • 相手家族の収入資産
  • 被差別部落かどうか

あなたは、家柄や家の格を重視するほうですか。

[3] 両親の反対にあってもジョーイは、黒人医師ジョンと結婚しようと家を出る準備をはじめる
  • 親や親戚から強い反対を受けたら、あなたはどうしますか?
  • 被差別部落の人と結婚すると、「生まれてくる子どもがかわいそうだ」という意見がありますが、それについてあなたはどう思いますか。
  • 愛する人となら、親子の縁を切ってでも結婚しますか?
  • 「結婚相手を決めるときは、自分本位 でなく、家のことも考えて決めた方がいい」という意見がありますが、それについてあなたはどう思いますか。

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