「人権相談ハンドブック」の活用法(例)
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1.人権相談における初期対応への活用 |
本書は日本初の総合的な人権相談Q&Aであり、別冊の「全国人権相談データブック」には人権相談に関わる全国の行政機関をはじめとする公的機関と、NPOやNGO等の民間機関を集約しております。
人権相談において重要な事の一つは初期対応であり、最初の一言によって、相談者を誤った道に誘導してしまったり、最初に紹介した機関がどのような相談機関であるかによって、相談者にとって大きな影響を与えかねません。
こういった初期対応に対応するためにも、人権相談を行う担当者の研修材料として、また、実際の相談活動の参考資料として非常に役に立つ一冊です。 |
2.解説・資料と詳細なジャンル分け |
本書は、人権に関わる多くのジャンルをカバーするために、大きく8つのジャンルに分類し、その一つひとつを小ジャンルに分けて構成しております。さらに、相談事例の理解を深めるための解説・資料も掲載し、関連法令や人権相談マニュアルなども収録しました。
(1)部落問題 |
結婚・就職差別と身元調査 地域・職場等の差別 えせ同和行為 |
(2)多民族共生 |
在日コリアン 在留資格等 雇用・労働 医療・福祉 暮らし 婚姻・国籍 教育 |
(3)障害者 |
施設・病院 介護・ホームヘルプ・後見支援 暮らし 病気・障害と治療 社会参加・仲間づくり |
(4)高齢者 |
介護・施設 後見支援 生活全般 |
(5)子ども |
児童虐待 不登校 いじめ 学校生活 子育て |
(6)ジェンダー |
雇用・職場・セクハラ DV・ストーカー・性暴力 家族・家庭 |
(7)性 |
同性愛 性同一性障害 |
(8)暮らしと生活 |
個人情報・プライバシー 雇用・労働 野宿生活者 HIV ハンセン病 犯罪被害者 悪質商法 |
と、ジャンルは詳細で、具体的に知りたい人権相談の「Q&A」を的確に探す事ができるようになっております。 |
3.人権教育の研修教材への活用 |
本書は多様なジャンルの「人権相談Q&A」となっているため、人権相談担当者のサポートのみならず、職場や教育機関などにおける人権に関わるケーススタディの研修教材にも活用できます。
具体的な「Q」である人権相談内容を研修参加者に提示して、解決策を討議する事は実践的な人権研修として、非常に有効となります。さらに、研修を進めるリーダーにとっても「A」が示されている事により、標準的な研修方向を確認する事ができます。
職場における人権研修は、人権実現のために行っているものであり、本書を活用した研修は、非常に効果的です。 |
4.身近な人の相談への活用 |
多くの人権問題に悩む人々が一番最初に相談する相手は、家族や友人など身近な人々が最も多いと考えられます。すなわち、それらの人々が人権相談の中でも重要な初期対応を担っている場合が少なくなく、この初期対応段階で上手に対応できれば、相談内容の克服のために大きく前進する事になります。
もともと、本書は研修教材として作成されたものではなく、具体的な人権相談の実践的ハンドブックとして作成されたものであるため、手元に置いておけば、人権相談内容の克服に大きな手がかりとなります。 |