人にはさまざまな違い、多様性があります。体の特徴、性別、年齢、生まれたところ、国籍、民族など、違いを数えたらきりがありません。人は、多様な面を持っており、いくつもの違う立場を持ちながら、多くの人や社会と関わり暮らしています。だれ一人として同じ人はおらず、そこが人がかけがえのない存在といわれるゆえんです。
“違いを認めあってともに生きる”ということが人権を尊重する上で、いかに大切であるかということは徐々に知られつつあります。しかし、地域や職場、学校でそれを実現するためには、その違いを背景も含めて理解し、受け容れること。そして違いを尊重し、ともに生きていこうとする姿勢を持つこと。さらには、排除せずにともに暮らすための方法やルールをつくっていくことが必要になるのではないでしょうか。これらを進めるためには、多様性を尊重する学習の積み重ねが大切になってきます。
この冊子は、多様性を尊重するための人権学習を進めることをねらいとし、学習を進めるための考え方と、地域や職場、学校などでの学習プログラムを紹介し、学習を進めるファシリテーター(促進役)のハンドブックとなるように作成されています。 |