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 学校や社会、あるいは家の中で、「なんで女だけが?」と思った経験は誰にでもあるのではないでしょうか。そんな時、「仕方ない」と諦めるか、「おかしい」と抗議するか、あなたはどちら? 今回の「ふらっとピープル」は、説得力のある抗議を続けてきた医師で衆議院議員の水島広子さんです。
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 子どもの頃、兄は夕食の後すぐに勉強に戻れたのに、私は母に食器片付けを手伝いなさいと言われた・・。私が女の子差別を意識したルーツは、おそらく多くのみなさんと一緒で極めて原始的です。
 1学年100人中、※当時女子は1割だった慶応の医学部に入ると、女子学生は女子学生だけでツルむ風潮があって息苦しく、でも何も私はそんな風潮に従うことないやと早々に克服したのは良かったんですが、医学部の教育はいろいろと差別的でしたね。

「女の子に教えても、そのうち辞めちゃうから無駄だ」と公言する教授がいたり、他学部を卒業して医学部の修士課程に来た学生から「男と女では脳の形が違う。女性は家にいて子どもを育てるのに向いているのだから、社会進出は間違ってる」と言っている教授がいると聞いたこともありました。前者には「辞めるかどうか分からないのに、どうしてそんなことを言うんですか」と抗議。後者もきちんと問題にしたかったけど、その言葉を聞いたという修士学生に「大事(おおごと)にしないでほしい」と言われ、きちんとした証言を得ることができなかったので、問題に出来なかった。悔しかったですね。

 医局に入ると、コーヒーを入れるのは女性の医者の仕事だと言われて、「えっ?」でした。年配の秘書の女性に、「今から、あなたにコーヒーの入れ方を教えますね」と言われ、そんなの私は粛々と受けるわけにはいかないから、同期の男性たちを集めて「みんなも聞いておいて」と。もっとも、私は医師免許を取得した後1年間放浪の旅をしてからの入局で、同期の医者より1年先輩だったし、『入局にあたって』の文章に「医者同士が先生先生と呼び合うのは不気味だ」と書くなど、最初から「怖い人だ」と見られていたから、男性の同期も私に従った(笑)。その頃は、女性だけがコーヒーを入れるのはおかしいという正論をガーンとつきつけていたわけですが、だんだんとそういう手法はとらなくなってきましたね。

 例えば、2年7カ月前、産休を取る時。大学に居ながらにして出産するケースは精神科ではどうやら私が初めてだったわけです。※労基法よりも少ない8週間の産休を申し出たところ、医長は「大学院生で無給のあなたには労基法は適用されない」と回答してきた。つまり“ただ働き”の身分だから産休は取らせない、とのことだったんです。

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