【朝日新聞】「またとはそばを離れません」 詩人・金時鐘さん、済州島への帰郷
2024/02/08
海からの強い風が野山を吹き抜ける。休火山の島であることを思い起こさせる黒土の地面は、冬の冷たい雨でぬかるんでいる。
ミカン畑や雑木林に囲まれた墓地。老師は右手の杖で地面をつき、左手の傘で風雨を避けながら、ひざや腰の高さまで生い茂るいばらや枯れ草をかき分け、ゆっくりと歩を進めた。すぐ後ろを老妻が連れ添って歩く。
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2024/02/08
海からの強い風が野山を吹き抜ける。休火山の島であることを思い起こさせる黒土の地面は、冬の冷たい雨でぬかるんでいる。
ミカン畑や雑木林に囲まれた墓地。老師は右手の杖で地面をつき、左手の傘で風雨を避けながら、ひざや腰の高さまで生い茂るいばらや枯れ草をかき分け、ゆっくりと歩を進めた。すぐ後ろを老妻が連れ添って歩く。
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