【神戸新聞】社説:水俣病64年/救済への流れ止めるな
2020/05/18
1956年の水俣病公式確認から今月で64年になった。新型コロナウイルスの影響で、熊本県水俣市などが主催し、例年県知事や環境相らが出席する犠牲者慰霊式は延期となった。現地では患者団体による慰霊祭が規模を縮小して営まれた。
水俣病は被害者救済の問題がいまだに解決していない。患者認定や未認定被害者の救済策から漏れた人たちの訴訟が、各地で続いている。
その一つ、胎児期や幼少期の被害を訴え、未認定の8人が国や熊本県、原因企業のチッソに計約3億円の損害賠償を請求した訴訟は今年3月、福岡高裁で全面敗訴した。司法はこれまで救済の道を開いてきたが、逆に厚い壁となった。
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