【信濃毎日新聞】社説:嫡出否認訴訟 無戸籍を生まぬ法制度に
2020/02/13
明治の家制度の時代に設けられた民法の規定が、子どもを無戸籍にする深刻な弊害を生んでいる。その現状に最高裁もまた正面から向き合わなかった。
父親であることを否定する「嫡出否認」の申し立てを夫にしか認めない民法の規定が、法の下の平等や男女の平等を定めた憲法に反するかが争われた裁判である。最高裁が原告の上告を棄却する決定を出し、規定を合憲とした一、二審の判決が確定した。
原告の女性は30年ほど前、暴力を振るう夫から逃れ、離婚が成立する前に別の男性との間に娘が生まれた。民法の「嫡出推定」で夫の子と見なされることから、出生を届け出なかったという。
続きを読む
↓