わかりやすいものは、差別落書、差別を意図する内容の葉書・封書・ビラ、そしてインターネット上の差別的な書き込みです。とくに電子掲示板では、部落の人びとへの差別をあおったり、部落の所在地を暴こうとする書き込みが続いています。 また、結婚や就職など人生の節目で、身元調査(Q15参照)などのために、部落出身者という【出自】が問題にされることがしばしばあります。夢がついえた結果、自殺においこまれるような悲惨なケースもあります。結婚差別の背景には戸籍(Q15参照)にもとづく【家制度】があります。結婚した場合でも、部落出身でない側の親族との行き来が絶たれることは少なくありません。 仕事の面では、就職差別のほかにも問題がのこされています。中高年世代は今よりも差別のきびしかった時代を生きてきました。そのため多くの人たちが、収入が不安定で肉体的にもきびしい条件で働いてきました。差別と貧困のために学校教育から排除されていたこともその要因のひとつです。このため各地の部落では、おもに女性たちが【識字】の取り組みを重ねています。 若い世代でも収入の少ない仕事をしている比率が高く、とくに近年は失業・不安定就労者の増加が注目されています。ここには部落がかかえている低学力・低学歴の問題も影を落としており、大学進学率の低さなど、学力・経済面での格差はのこされています。 地域での差別としては、部落の子どもたちと同じ学校に通わせないという越境通学や学区編成、町内会の分離、あるいは部落の不動産価格が周辺より低いことなどがあげられます。部落に対する【忌避意識】は依然としてあります。 このように、部落問題はわたしたちの社会のさまざまな場面に現れているのです。
参照リンク:部落解放・人権研究所HP「データにみる部落差別」 http://blhrri.org/nyumon/jittai/nyumon_jittai_seikatsu_1.htm
|