「プライバシーの権利」とは何か
時々「プライバシーの権利を守る」という言葉を耳にします。プライバシーの権利とは、どんな権利ですか。人は誰でも他の人には知られたくないと思うような、ごく私的な情報をもっています。そのような情報を「プライバシー」と呼びます。このようなプライバシーについて、みずからコントロールする権利が「プライバシーの権利」です。プライバシーの権利は、もともとは「そっとしておいてもらう権利」として定義され、個人の私生活上の秘密を公表されないという権利と考えられていました。しかしその後、情報社会の進展に伴い、「プライバシーに関するコントロール権」と定義されるようになりました。つまり現在、プライバシーの権利といわれるのは、「他の人に知られたくないと思うのが当然だと思われるようなプライバシーについて、本人の同意なく、他の人が勝手に情報を収集したり取得したり、情報を保有して利用したり、第三者に開示したり提供されない」ということを意味します。また、プライバシーの権利は、他の人がその人に関するプライバシーを保有している場合(カルテ、内申書など)に、その人に開示を請求し(自己情報開示請求権)、それが誤っている場合には訂正を請求する権利(訂正請求権)を含むと考えられています。