社内でのセクハラが発覚、会社としての対応は?
私は、ある会社の人事部長をしています。当社ではこれまで、若い独身女性がいないことから、セクシュアル・ハラスメント防止対策を講じていませんでした。しかし先日、女性社員より「男性社員から常に『おばはん』と呼ばれたり、係長に腰などを触られたりするのが耐えられない」と相談されました。今後、どのように対応すればよいのでしょうか。
セクシュアル・ハラスメントは、被害者の特徴(若い、独身であるなど)によって起こるものではありません。性別役割分担意識や男女間にある上下意識、性意識の違い、男女間のコミュニケーション不足、企業の女性雇用管理方針のあり方が背景にあって起こるものだと考えられます。
今回の「おばはん」発言も、まさにこのような背景から生まれたと思われます。相談内容をみると、係長の言動の問題にとどまらず、社内に女性に対する差別意識があるようにも受け取れます。事業主側が「わが社にはセクシュアル・ハラスメントは起こり得ない」と思い込み、実態を把握してこなかったのではないでしょうか。
実際に相談があった以上、迅速かつ適切に対応する必要があります。その女性社員がどのような改善や解決を望んでいるかを確認し対応する一方、会社内の実態を把握し、社員にセクシュアル・ハラスメントを正しく認識させる、部署ごとに話し合いの場をもつなど、今後の再発防止に努める必要があります。