上司の過干渉に仕事への意欲を失いかけている
24歳の女性です。飲食店で働き、かれこれ3年半になります。学生時代からバイトをし、そのまま正職員になりました。実は大学卒業後、就職難だったこともあり、店長にすすめられるまま正職員になったのです。そのときの店長は私のことを買ってくれていたのですが、昨年異動してきた店長はどうも私のことが気に入らないようです。ことあるごとに「愛想がない」「もっと女らしくしろ」といわれ、私服についてまでチェックが入ることがあります。とてもワンマンなタイプで、社員の誰一人、彼には逆らえない感じです。ずっと我慢してきたのですが、あまりの口うるささに最近は仕事に対する意欲もなくなってきました。このままやっていけるのか、転職するなら今かなあ、などと迷っています。ちなみに店長は2、3年おきに変わります。
「愛想がない」「もっと女らしくしろ」などと言われるとは、まったくひどい話ですね。私服にまでチェックが入るというのは、明らかにいじめですし、セクハラです。周りの人たちに対しても同様のことがあるようですから、信頼できる上司や同僚の人に相談してみてはどうでしょう。そのうえで、できるなら店長に伝えてみるといいと思います。
それでも改善されないようなら、セクハラ相談や労働環境を改善するための指導をしている厚生労働省関係の行政窓口のほか、いっしょに考えてくれる民間団体がありますから、相談してみるといいでしょう。しかし、あなた一人が訴えたとしても、セクハラという自覚がない店長自身が反省し変わることはなかなか望めません。そこで、店長と闘う、あるいはもっと働きやすい職場環境をつくるための仲間が必要となります。
もう一つ、あなたの相談から感じられるのは、あなた自身の「迷い」です。自分の職業選択や将来のライフプランについて「このままでいいのだろうか」と感じていらっしゃるようですね。女性にとっても仕事が、その人の人生をより豊かにするかどうかを左右する時代です。自分の将来を長いスパンでとらえ、仕事の意味、何をしたいのか、何ができるのか、何に向いているのかなど、一度考えてみるチャンスかもしれません。
【解説】事業主の配慮義務
改正男女雇用機会均等法第21条では、使用者の配慮義務が定められ、厚生労働大臣指針では、業種や規模を問わず、すべての事業主に対し次のことが義務づけられている。
(1)事業主の方針の明確化およびその周知・啓発
(2)相談'苦情窓口の明確化と適切かつ柔軟な対応
(3)セクシュアル・ハラスメントが生じた場合の迅速かつ適切な対応
また、構成労働大臣が必要と認める場合は、事業主に対して報告を求めたり、助言、指導、もしくは勧告をすることができる。
つまり、セクシュアル・ハラスメントが生じた場合、被害者は事業主に対する指導などを求めることができる。