まず、はっきりと定義しておきたいのは「暴力は犯罪である」ということです。たとえ夫婦であっても、あなたが夫の暴力に耐えなければならないいわれはありません。あなたが安心して暮らせるようになるよう、いっしょに考えていきましょう。

親密な関係のなかで起きる暴力は、外からは見えにくいものです。あなたのように周囲に相談しても「いいご主人じゃないの。子どももいるんだから少しぐらいは大目に見てあげなくちゃ」「あなたがわがままなんじゃない?」などと逆に意見され、「やさしい時もある」「自分の力不足」「たたかれるようなことをしたから」などと自分を責め、我慢してしまう人も多くいます。しかし、いかなる暴力もふるうほうが悪いのです。

暴力には身体的暴力のほか、心理的、社会的、経済的暴力などさまざまな形があります。「いつかわかってくれるのではないか」「いずれ収まるだろう」と期待したくなる気持ちもわかりますが、二人の関係のなかで解決するのは非常に難しいことです。

放っておくとエスカレートし、命の危険にもさらされかねません。お子さんがいる場合はお子さんへの影響も気になります。弁護士費用の援助が受けられたり、一時的に避難生活ができる施設もありますので、経済的な不安がある場合でもできるだけ早く最寄りの女性相談センターや保健センターなどの支援機関に相談してください。