子どもが担任からのセクハラを打ち明けてきた
娘が学校で先生に「いやらしいことをされた」と打ち明けてくれました。しかしどう対処すればいいのかわからず、悩んでいます。
信頼できるはずの教師からセクシュアル・ハラスメントを受けた娘さんは、大きなショックを受けていることと思います。まず娘さんの訴えにしっかりと耳を傾けてあげてください。「本当にセクハラがあったのか」「その行為がセクハラだと言えるのか」を、あなたが判断する必要はありません。今は何よりも娘さんが「つらい」「いやだ」と思っている事実があることを認めてくれる大人の存在が必要なのです。子どもがセクハラを受けたと大人に訴えるのは、非常に強い苦痛を感じており、「これ以上その状態に耐えられない」というメッセージだと言えます。信頼できると思える大人がそこにいるからこそ、勇気をふりしぼって訴えているのです。ぜひ、「あなたが悪いんじゃない」と、言葉にして伝えてあげてください。その一言で、娘さんはたいへん勇気づけられます。
次に、娘さんがどうしてほしいと思っているのかを確認してください。娘さんがあなたに何をしてほしいのかを確認してから行動したほうがいいでしょう。しばしば、大人は子どもの意向を飛び越えて、子どもに代わって動いてしまうことがあります。しかしその結果、かえって子どもに無力感を感じさせることもあるのです。セクハラの被害者の多くは圧倒的な力のもとで無力感をもたされ、それが心の傷として残ります。娘さんが自分の力で心の傷(トラウマ)から回復するためにも、自分の意向を表明し、それが尊重される形で問題解決されることが大切なのです。
話し合いを進めるうえで、まず事実確認が必要になりますが、当事者だけで話し合うのは避けてください。セクハラに関する専門的な知識や情報をもつ第三者にも同席してもらうことで問題点が明らかになり、今後の対応もきちんと話し合えるはずです。最近は各市町村教育委員会や各学校にもセクハラ相談の担当者がおかれています。専門家の力も借りながら、娘さんが安心して通学できる環境を整えてあげてください。