嫁から暴力を受けているという高齢者。今後の対応は?
昨日入院してきた高齢者の全身にあざがあります。不審に思ったので、付き添いの本人の妹に尋ねたところ、同居している息子夫婦の嫁から暴力を受けているらしいとのこと。妹は介護を息子夫婦に任せきりにしているため、口を出せないと言います。退院は1週間後の見込みですが、その後が心配です。
介護のストレスが引き金になって、虐待に至った可能性があります。まず、介護の負担を軽くする必要があります。介護認定をまだ受けていないのなら、退院のタイミングに合わせて介護認定を受け、介護サービスを導入してはいかがでしょうか。
このような虐待に対する介入が困難なあは、医療機関や介護サービス事業者など関係機関が発見した場合です。今回のように、家族が重い口を開いて問題解決のために相談の態勢に入った場合はいいのですが、状況によっては虐待の事実そのものが家族から否認され、介入はおろか接触のチャンスすら閉め出されてしまう場合もあります。否認するのは虐待者ばかりではありません。虐待を受けている本人自らが否定することも少なくないのです。
その状況を確認することが困難な事例の場合には、その人にかかわっている医療機関、介護サービス事業所、在宅介護支援センター、保健所(保健センター)、行政機関などの関係機関がお互いに情報交換をし、対応策の検討など行なうことによって問題解決を図っていくことになります。