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友だちとけんかをし、「学校なんか行きたくない」という娘

小学校5年生の長女が先日、学校から帰ってくるなり、仲良しグループの友達とけんかをしたと話し始めました。初めはボソボソと話していたのですが、しだいに興奮してきて、最後は「もう学校なんか行きたくない」と泣き出しました。私は長女の話を聞くしかできず、その後はそっとしておきました。翌日はたまたま休日で、食事以外はずっとベッドにもぐり込んだままでした。月曜日からはなんとか学校へ行っていますが、いつもの元気がありません。この調子だとそのうち本当に学校へ行かなくなるのではと心配です。これからどのように接していけばいいのでしょうか。

目の前で子どもに泣かれるのは、親としてはつらいですね。娘さんは長女とのことですので、子育てにおけるあなたの不安もひとしおでしょう。小学校の高学年、とりわけ女の子は、思春期に向けて心身共に急激な変化(成長)が表れる時期です。娘さんの場合も思春期にさしかかっているのだととらえてください。
この時期の特徴の一つとして、子どもの関心が親から友達へと移ることが挙げられます。子どもにとって、友達との関係がどても大切なものになってくるのです。当然、その関係が傷ついたり壊れたりすることは、子どもにとっての一大事です。
このようなことはどの子も経験するものですし、基本的に子ども自身の力で乗り越えていかなければなりません。しかし、心理的にもまだまだ自立できるほど強くはないので、親の支えはこれまでとは違った形で大切になります。あなたが不登校の心配をしているように、友達とのトラブルをきっかけに学校へ行けなくなる子もいます。けれども多くの場合、それが後になってわかったり、ほかにも、さまざまなことが重なっていたりすることが多いようです。娘さんの場合、これまでにそうした兆候がなかったのなら、娘さんがあなたにすぐ話をできたことは、親子の関係がそれだけうまくいっているからではないでしょうか。
「話を聞くしかできなかった」とのことですが、それでよかったともいえます。慰めたり励ましたりすれば「私の気持ちがわかっていない」と憤慨するかもしれませんし、すぐに先生に伝えようとすれば「余計なことをしないで」と反発するかもしれません。あなたがお子さんの気持ちをそのまま受け止めようとしたことにより、涙を流すほど自分の気持ちを出せたのではないでしょうか。
しかし、この時期の子どもが親に何でも話をすることはまずないでしょうし、子ども自身も自分の気持ちがよく整理できていないことはよくあります。
そこで、言葉以外の子どものサインを見逃さないことが大切になります。特に、腹痛や頭痛や食欲など体に表れるサインはわかりやすいので、普段とは異なる状態が続けば注意してください。
もう一つ大切なことがあります。それは「いじめ」など、子ども自身の力で乗り越えることが大変困難な場合です。もしそのようなことが判明したり疑わしかったりすれば、子どもの気持ちを十分に受け止めたうえで学校と相談することが大切です。
思春期の子どもに寄り添うのは心理的にとてもエネルギーを要します。しかし、親としてどっしり構えながらも、子どもの気持ちをしっかり受け止めてあげることは何よりも大切です。