ふらっと 人権情報ネットワーク

ふらっと相談室(Q&A)



精神障害者の強制入院は許されるのか?

私の弟はひとり暮らしをしている精神障害者です。先日、弟が近所の人から保健所に通報され、精神病院に強制入院させられました。本人が嫌がっているのに、無理やり精神病院に入院させることは許されるのでしょうか。

精神障害者が精神病院へ入院する場合、本人の意思に基づいて入院することが原則です(任意入院)。強制的に入院させられる場合もあり、主に措置入院と医療保護入院があります。
措置入院とは、本人が精神障害のために自分自身を傷つけたり、他人に害を及ぼすおそれがあると認められた場合で、二人の精神保健指定医が診察し、意見が一致しなくてはなりません。
医療保護入院とは、本人の治療及び保護のために入院の必要があると認められた場合で、保護者の同意および一人の精神保健指定医の診察が必要です。
以上のような要件と手続きのもとでのみ強制入院は認められます。しかしこのような強制入院は、人の身体の自由を奪うものですから、常に人権侵害の危険があります。強制入院させられた本人や保護者は、都道府県知事(政令指定都市の場合は市長)に対し、精神病院から退院させるよう請求をすることができます。この退院請求をすると、各都道府県や政令指定都市に設置された精神医療審査会が入院の必要性などについて審査し、その審査結果によっては退院の命令などが出されます。