神経症ではないかと言われたが、どんな病気なのかよくわからない
最近、何事にも気力がわかない。日中はぼんやり過ごしてしま夜になると不安な気持ちになって眠れない。それを友達に言うと「神経症じゃないの?病院へ行ったほうがいいよ」と言われました。新聞や雑誌などでもときどき「神経症」という病名を目にしますが、自分と関係があるとは思いもよりませんでした。神経症とはいったいどんな病気で、なぜかかるのでしょうか。
「神経症」は、日常よく見聞きする「こころの病」の一つですね。神経症とは、何らかの精神的要因(心因)によって、精神的あるいは身体的症状が引き起こされた状態をさします。私たちは誰でも、身体的または社会的に命や存在が脅かされている状態になった時には「不安」を感じます。神経症ではこの「不安」が要因となり、それがそのままの形で、あるいはさまざまに形を変えて表に出てきた状態であると考えられます。
代表的な神経症(神経症性障害)としては、不安性障害(不安神経症)、パニツク障害、強迫性障害(強迫神経症)、恐怖症、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、適応障害などがあります。
神経症の発症のメカニズムを考える際には「性格因子」と「環境因子」という二つの要素に注目します。性格因子として、神経症を起こしやすい傾向を「神経症性性格」と呼んでいます。自分と他人がぶつかり合い、結果として自分の欲求が満たされないと人は欲求不満の状態になりますが、神経症性性格の人は欲求不満状態になりやすく、環境に適応していく柔軟さに乏しいといわれています。
環境因子は、直接生命の危険を体験する状況(戦争や自然災害など)から日常生活における対人関係の葛藤までさまざまです。私たちが一般にストレスと呼んでいるものは環境因子に含まれているといえるかもしれません。実際に多いのは、家庭での親子間、夫婦間での葛藤や、職場・学校での対人関係のもつれなどです。
以上のような性格因子と環境因子が相互に関連しあって、神経症発病の準備状態ができあがり、そこに何らかの心理的・精神的原因が加わって神経症症状が表れると考えられています。
抽象的な話になりましたが、もしあなたに思い当たること(ストレス)があれば、あまりつらくならないうちに何らかの対処をするなり、心療内科などで話を聞いてもらったりするほうがいいかもしれません。