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3.自分に合った性別で生活したいが、何からどうすれば?

私も小さいころからずっと自分の性別に違和感があったため、性同一性障害についてひととおり調べました。私もこれからは、自分に合った性別で生きていこうと思います。でも何から手をつけていいかわかりません。また、まわりからちゃんと希望の性別で見てもらえるようになれるかも、自信がありません。最初の一歩を踏み出すところで、まだ迷っています。

今日まで男性(または女性)として生きてきて、明日から突然女性(男性)になるというのは、むろん不可能です。仮に今では見事に希望の性別で生きている人でも、そうなるまでには長い道のりがあったはずなのです。
性別を表現する外見的記号には、髪型や服装、胸やムダ毛などもありますが、そういった個々のパーツよりも、やはり全体的な雰囲気がじつは重要です。ちょっとした仕草や身体全体から醸し出される「女っぽさ」や「男っぽさ」といったものが、その性別で社会的に認識されるための重要な要素となります。
そして、それらを習得するのは、つまるところ経験がすべてとなります。その性別で生きるんだという気持ちをしっかり持ち、実際にその性別で過ごす時間や空間を増やしていけば、その積み重ねに応じて、身のこなしや声の出し方も、希望の性別らしくなっていきます。こうした面での「女っぽさ」や「男っぽさ」は、誰もが後天的に身に付けるものなのです。
ですから、このケースでは、できるところから無理のない範囲で少しずつ始めてみるのをお勧めします。
MtF(男性→女性)であれば、まずはヒゲを剃った後のアフターシェーブローションを、女性用の化粧水に替えてみるなんてことからでもよいのです。そんな身近なところから、しだいに女性としての領域を広げていけばいいのです。
FtM(女性→男性)なら、服をすべて男物にするのも比較的簡単でしょう。カジュアル衣料店のユニセックスな商品は強い味方です。


※MtF/FtM
MtFは[ Male to Female ]の略で、元々は男性だったのが女性になろうとするトランスジェンダーを指す。
FtMは[ Female to Male ]の略で、同じく元々は女性だったのが男性をめざすケース。
同じように性同一性障害とされても、社会の中で男女が置かれている状況が同じではないため、両者の間では直面する問題に微妙な差異もある。