アンコンシャス・バイアスとは
2020/04/17
3.アンコンシャス・バイアスの弊害
バイアスによって思考が歪められるというメカニズムは、時に無意識のまま差別といえるほどのレベルに達することがあります。
ここでは、バイアスによって起こりうる主な不都合について紹介します。
(1)組織や地域コミュニティへの影響
採用、評価、昇進、育成などのタレントマネジメントや、リーダーの意思決定や行動選択に影響を与え、ビジネス上の問題を引き起こす恐れがある。
前例に囚われすぎると、新しいアイデアや発想の入り込む隙が無くなる。
(2)個人への影響
日常の些細な言動、行動となって表れ、相手の意識に作用することで職場の人間関係やパフォーマンスを悪化させる。
(3)採用への影響
自分と同じタイプを選好する。
性別、学歴、出身地、前職社名など、採用基準とは関係のない属性に影響される。
募集時に組織における多数派の価値観を表現する。
面接で「思い込み」を裏付けるデータを収集する。
(4)人事考課への影響
直近に成果を上げた人を高く評価する。席が近い部下を低く評価する。
もともと評価の低い部下に対しては、評価の低さを裏付ける情報を集める。
昇進の要件を能力ではなく属性でみる。
属性によって過剰な配慮をする。
(5)育成への影響
「女性は辞める」といった通説を過大に評価する。
自分と同じカテゴリーの人に目をかけ、優遇する。
(6)ジェンダーフリーへの影響
性別や年齢によって職種や役割が固定的になる。
先入観により「女性は細やかな心遣いが出来る」と期待されるが、期待に添わないと、裏切られたという思いによる反動で、女性に対する評価が厳しくなる。
良かれと思った気遣いで、「きつい仕事は気の毒だ」「子育て中に、泊りがけの出張仕事は無理だろう」と本人に話を聞かないまま機会を与えない。