障害者差別解消法とは
2016/05/27
「障害者差別解消法」とは
わが国では、2011年の「障害者基本法」の改正で障がい者への「差別の禁止」が定められましたが、行政機関等や民間事業者による差別的取り扱いの禁止行為や差別解消のための具体的な対応などを定めた法律は制定されていませんでした。
「障害者差別解消法(正式には「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」)」は、2013年6月19日に成立し、2016年4月1日に施行されましたが、この法律は2006年に国連で採択された「障害者権利条約(正式には「障害者の権利に関する条約」)」の批准に向けた国内法の整備の一環として、「差別の禁止」の基本原則を具体化するために制定されたものです。これを受けてわが国は2014年1月に同条約を批准しました。
Ⅰ.法律の概要
1. 行政機関等および民間事業者に対し、障がいを理由とする差別をつぎのように定めています。
①「不当な差別的取り扱いの禁止」
障がいがあるということだけで、正当な理由なく、サービスの提供を拒否したり、制限したり、条件をつけたりするような行為などを禁止しています。
②「合理的配慮の不提供の禁止」
障がいのある方などから何らかの配慮を求める意思の表示があった場合には、負担になり過ぎない範囲で、社会的障壁を取り除くために必要で合理的な配慮を行うことが求められます。こうした配慮を行わないことで、障がいのある方の権利利益が侵害される場合には差別に当たるとされています。
(行政機関等は①②いずれも法的義務。民間事業者は①は法的義務、②は努力義務)
2. 障がいを理由とする差別を解消するための支援として、次の取り組みを行うとしています。
①「紛争解決・相談」
国および地方公共団体による相談・紛争解決のための体制の整備
②「啓発活動」
国および地方公共団体による普及・啓発活動の実施
③「情報収集等」
国内外における差別および差別の解消に向けた取り組みに関わる情報の収集、整理および提供
④「地域における連携」
障害者差別解消支援地域協議会における関係機関等の連携
Ⅱ.基本方針
障害者差別解消法に関して、政府の施策の総合的かつ一体的な実施に関する基本的な考え方を示すものとして「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」(内閣府)が策定されています。
【参考】
大阪府は障がいを理由とする差別について府民の関心と理解を深めるため、障害者差別解消法に基づき、何が差別に当たるのか、合理的配慮としてどのような措置が望ましいのかなどについて基本的な考え方や具体的な事例等を記載したガイドライン「大阪府障がい者差別解消ガイドライン」を策定しています。
以上
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【制作協力】
大阪同和・人権問題企業連絡会