人権に関する映像紹介
2018/05/08
(4)ウェルカム! 外国人の人権
1.テーマ 外国人問題
2.教 材
(1)タイトル ウェルカム! ―外国人の人権― (16分)
(2)制 作
企画・制作 東映株式会社 教育映像部
制作協力 株式会社ターゲット
制作年 2016年
定 価 71,280円(税抜価格 66,000円)
問合わせ先 東映株式会社 関西営業推進室
チャプター①「違いは壁?」
若槻さくらは入社6年目になります。ホテルグループの広報室で、広報誌の取材を担当しています。その日、午前中は新入社員の研修の様子を取材しました。会社は外国人社員を積極的に採用しており、ヒジャブを身にまとったムスリムの女性も講義を聞いています。社員研修を担当する人事部の楊梅怜は、中国出身で入社10年目です。ホテルで働くためのサービスマニュアルをつくるなど、実績を積み重ねていました。しかし、マニュアルだけではない心づかいが大切だと楊は説明します。ムスリムの女性や楊の講義の様子を取材する中で、さくらは多文化共生について理解を深めていきます。
チャプター②「壁は扉?」
午後の取材は、鯉川専務がアメリカでヘッドハンティングした海外営業部のデビッド・ルイスヘのインタビューでした。待ち合わせのカフェで、英語が不安なさくらが挨拶の練習をしながら待っていると、現れたルイスは日本語が流暢でした。カフェの店員もまた、英語が苦手でルイスがいるのに、さくらへ話しかけます。ルイスはやさしく「無視されるのは哀しい」と抗議します。そこに、鯉川専務と楊が現れます。違う文化をもった人と付き合うのは実に面倒くさいですが、それを乗り越えることでイノベーションが生まれます。鯉川専務はカーネギーの言葉「変化を歓迎しよう。もてなそう。」を引用します。国籍や文化の違いを「壁」ととらえず、「扉」と考え、開き進んでいくことが大事なのだと、さくらは実感します。
3.ねらい
現在、日本に在留する外国人は200万人を超えています。在留外国人は年々増加する傾向にあり、外国人も私たちの社会の一員として、重要な役割を担っています。しかし、文化の違い、言葉の壁などが理由で誤解を受けたり、差別にさらされたりすることも少なくありません。世界はグローバル化しており、外国との付き合いを広げ、異文化交流を進めていくことが、求められています。外国人の人権に気づき、その人権を尊重することは、私たち自身が日本人としての人権を守り、新しい時代のあり方を考えるヒントにもなります。
4.話し合いのポイント
①日本で暮らす外国人に対し、どのようなイメージを持っているのか話し合いましょう。
②外国人とのつきあいの中で多様な「違い」に気づきます。「違い」は人と人を隔てる「壁」にすぎないのか、話し合いましょう。
③自分と違う相手に出会い、その先に新しい発見や価値を生みだすにはどうしたら良いか話し合いましょう。
以 上
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【参考資料】
■外国人の人権を尊重しましょう
今日、我が国に入国する外国人は長期的に増える傾向にあります。こうした中、言語、宗教、文化、習慣等の違いから、外国人をめぐってさまざまな人権問題が発生しています。例えば、外国人であることを理由に、アパートへの入居を拒否されたり、理容店において外国人であることを理由に理容サービスの提供を拒否されるといった事案が生じています。外国人に対する偏見や差別をなくしていくため、文化等の多様性を認め、外国人の生活習慣等を理解・尊重するとともに、お互いの人権に配慮した行動をとるようにしましょう。(法務省「外国人の人権を尊重しましょう」)
■ヘイトスピーチ、許さない
近年、特定の民族や国籍の人びとを排斥する差別的言動がいわゆるヘイトスピーチであるとして社会的関心を集めています。こうした言動は、人びとに不安感や嫌悪感を与えるだけでなく、人としての尊厳を傷つけたり、差別意識を生じさせることになりかねません。2016年6月に、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(ヘイトスピーチ解消法)が施行されヘイトスピーチに対する対策が打ちだされました。(法務省「ヘイトスピーチに焦点を当てた啓発活動」)