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人権に関する映像紹介

2018/05/08


(9)認知症と向き合う

画像

9認知症.jpg

 

1.テーマ      高齢者問題

2.教 材

(1)タイトル  認知症と向き合う (30分)

(2)制  作
制作・著作  東映株式会社 教育映像部
監修     川崎クリニック院長 公益社団法人認知症の人と家族の会(副代表理事)/杉山孝博
制作年    2016年
定 価    71,280円(税抜価格66,000円)
問合わせ先  東映株式会社 関西営業推進室

(3)内  容  認知症の人もその周囲の人もよりよく生きていけるように、認知症について正しい知識を持ち、認知症への理解を深める内容になっています。

・認知症の文乃は夫と死別後、娘夫婦(春樹・翔子)や孫娘(樹里)と同居することになる。しかし、ひどい物忘れや徘徊、家族への暴言・暴力といった症状を現す文乃に家族は振り回され、ばらばらになってしまう。

・そんなとき、春樹は立ち寄った喫茶店でおいしいコーヒーに感動し、そのマスター(茂)の妻(節子)から「夫は3年前から認知症です」と言われて驚く。節子は春樹に次のような話をする。「認知症って確かにいろんなことを忘れちゃうし、大変なこともいっぱいある。でもその人であることに何も変わりがないのよ。大切なこともちゃんとここ(胸)で覚えてる。悲しかったり嬉しかったり、他の人と同じように一生懸命、生きているの」

・春樹が帰宅すると、翔子と樹里が打ち沈んだ表情をしていた。春樹は樹里から一冊のノートを渡される。その中には、家族のだれもが気づかなかった文乃の思いが散りばめられていた。

・後日、節子に誘われて参加した「認知症カフェ」で、春樹と翔子は認知症の専門の杉山医師の講演を聞く。杉山医師は、基礎知識として次の3つを提示する。

1.記憶になければ本人にとって事実ではない
2.本人が思ったことは本人にとって絶対的な事実
3.認知症が進行してもプライドは持ち続けます

・講演を聞きながら、春樹と翔子の頭の中では、文乃の言動がフラッシュバックする。「あの時の行動はそういうことだったのか」と思わず納得する二人だった。

3.ねらい

高齢化の進展に伴い、認知症の人が今後さらに増加することが予測されています。その一方で、多くの人たちが認知症に対して知識不足であり、偏見を抱いています。確かに認知症の人の行動は不可解であり、その気持ちや行動を理解するのは大変なことです。

しかし、認知症の人のどんな行動にも本人なりの理由や思いがあります。健康な人の常識で認知症の人の言動をおかしいと判断し改めさせようとすることが、介護する家族と認知症の人の両方を苦しめています。大切なのは、認知症を理解し尊重することなのです。

この作品は、認知症によくみられる症状、症状への理解、認知症の人の思いと家族の気持ちの変化、介護役の交流の大切さなどを描いたドラマ教材です。

4.話し合いのポイント

① 認知症の人もその周囲の人もよりよく生きていけるように、認知症について私たちが日常生活の中で心がけなければならないことを考えましょう。
② 現在の社会生活において、認知症のある人との接し方について話し合いましょう。

以 上

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【参考資料】

■高齢者・障害者の人権あんしん相談

全国の法務局・地方法務局では、高齢者・障がい者の人権を守るための各種活動を行っており、その活動の一つとして常設の人権相談所を設置するなどして、高齢者・障がい者をめぐるさまざまな人権問題について相談に応じています。 また、高齢者や障がい者に対する虐待などの事案が依然として、数多く発生していることから、平成21年度から全国一斉「高齢者・障害者の人権あんしん相談」強化週間(平成29年度は9月4日から10日まで)を実施し、取組の強化を図っています。全国の法務局・地方法務局では、高齢者・障がい者の人権を守るための各種活動を行っています。(法務省「高齢者・障害者の人権あんしん相談」)