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世界記憶遺産とは

2015/05/08


(4)トゥール・スレン虐殺博物館の記録

1.名 称    トゥール・スレン虐殺博物館の記録

Tuol Sleng Genocide Museum Archives 写真(ユネスコ ウェブサイト 英語)

 

2.登録国 カンボジア

 

3.登録年 2009年

 

4.解 説

民主カンボジアのクメール・ルージュ政権時代(1975~79年)、旧S21刑務所および

尋問センターと呼ばれた施設で、現在は地名を取って、国立のトゥール・スレン虐殺博物館と

なっています。S21とはクメール・ルージュ時代の政治犯収容所の暗号名です。

クメール・ルージュ政権時代におこなわれた残忍行為をこれほどなまなましく物語る記録はほかにはありません。カンボジアの人びとを襲った凄惨なできごとは、ときに直視するのが難しい。クメール・ルージュ支配下のカンボジアでは、200~300万人以上(人口の4分の1を超える)が命を落としました。何十万もの人びとが刑務所に収監され、拷問を受けたのち処刑されたと考えられています。

この歴史的な建物は、もとは高等学校でしたが、クメール・ルージュ政権時代に刑務所および残忍きわまりない尋問センターとして用いられました。この収容所には15,000人以上が収容されたと推定されますが、その試練を乗り越え、生還できたのはわずか8人といわれています。ここに残された記録は、5,000人を超える囚人の写真や“自分史”、そして自白調書からなっています。調書の多くは拷問で得たものでした。そのほか看守や刑務所職員の記録も含まれています。

この記録群は、人の人に対する残虐行為を示す証拠であり、20世紀における人道に対する罪の最たる例であり、世界史に多大な影響を与えた大量虐殺を如実に物語っています。

以 上